ALONE
シュウジは一瞬顔を歪めたが


それでも笑みを維持した。


『瀧本さん…俺はマジやで』



お互い視線をそらさない。



言葉なき戦い。





瀧本はしばらくして目を細めると




吸い殻をどこかに投げ捨て



再び椅子に座った。



『…いいだろう。お前には借りがある。ただな、ウチは保証人なしじゃ金は貸さない。』


『いるやん俺の隣に♪』



…!?



シュウジは笑みを俺に向ける。


『は!?ちょっと待てシュウジ…』


瀧本が割って入る


『悪いがウチは未成年相手に金は貸さない。もちろんそれは保証人に関しても同じだ。』



シュウジはここで今日1番の隠しダマを使った。



それは俺すら知らない家族の個人情報。



『瀧本さん…アテはあるんや。こいつのじぃさん…誰かわかるか?』



瀧本はピクリと眉を動かす。



『…誰だ?』



『アラン・ジレス。瀧本さんなら知っとるやろ?』



それを聞いた瀧本の表情は驚愕に変わる。


『コイツの髪や目はブリーチでもカラコンでもない。正真正銘アラン・ジレスの孫なんや。』
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