ALONE
そこで俺は質問を挟む。


『話に出てたヨシアキってのは?』


『瀧本組の幹部や。

ウチのチームに一人暴力団幹部がおる言うたやろ?

そいつや。

部下に人望もあるから良い兵隊集めてくれるやろ。

まぁ若干本人に問題があるんやけど…

信用はおける。』


俺は頷いた。


そしてまた尋ねる。


『金を返すアテは?

お前はじぃさんの名前を出したが…

そんな大金ウチにはねぇぞ。

なんか人違いしてねぇか?』


シュウジは順を追って説明する。


『確かに俺らみたいなガキは一年で1000万なんて大金は作れん。

ただこの一件にはな…

まだ詳しくは言えんが1000万なんてはした金に思えるほどの大金が絡んどる。

うまくいけばそれをそのまま俺らのモノにすることも可能や。』





その時うっすらとこの一件の全容が見えた。





これは単なる殺人犯の捜索ではない。






もっと裏に…






強欲が幾重にも絡んだ闇がある。






果てしなく深い人間の欲望という闇が。
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