ALONE
『それとお前のじぃさん。

アラン・ジレス。

人違いやない。

お前のじぃさんはな…

ひと昔前までフランスの株式市場の流れを支配しとった個人投資家や。

上場しとる全てのフランス企業はあの人の手の上やった。

名前くらいやったら株かじっとる日本の投資家はみんな知っとるで。

20年前急に消息を絶ってたんやけど…

今は日本に移住して生意気な孫と二人で暮らしとるってわけや。

お前は知らんのも無理はない。

おそらく当時稼いだ金はフランスの銀行に預けたままやろ。

それこそ数十から数百億単位で。

だから瀧本も了解したんや。』





じぃさんの過去を知った驚きより


シュウジが言った生意気な〜って部分が引っ掛かったがあえてここはスルーしよう。


最後にもう一つ俺は聞いた。


『賃貸住宅はなんのためだ?』


『俺等が実家を拠点に動くんはかなり危険や。

お互い家族がおるし、この一件はかなりヤバイ筋が絡んどる。

だから防犯設備が整い

かつ組が裏でさばいとる住宅やったら見つかっても敵は容易に手ぇ出せんやろ。』
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