ＡＬＯＮＥ

シュウジは紹介を始める。

『コイツが前々から話しに出とるヨシアキや♪見かけは問題アリやけど意外とエエ奴やで。』


ヨシアキはそれを聞いて笑うと


頭の龍が動いたように見えた。


『初めまして榊ジン君。まぁ…瀧本さんの頼みもあるし、困ったことがあれば何でも言ってくれて大丈夫だよ。』


そう言うとアルミのアタッシュケースと何かの鍵をテーブルの上に出した。


『瀧本さんから約束の1000万。あと部屋の鍵。自由に使ってくれ。』


ヨシアキは見た目と随分ギャップのある物腰のやわらかい男だった。


シュウジはアタッシュケースと鍵を手前に引き寄せる。


『おおきにヨシアキ♪ちなみに兵隊はどれくらい集まりそうや？』


ヨシアキは首を傾げた。


『今何も任されてない、事務所でくすぶってる奴らが２０はいるかな。そいつらならすぐに出せるよ。まぁ何かあれば電話してくれ。』


ヨシアキはテーブルを離れる際にさりげなく伝票を手にとり


『頑張れよ。じゃぁまた♪』


と言って立ち去った。


気前の良い暴力団幹部。


第一印象を除けばヨシアキのイメージはとてもよかった。