ALONE
『あれでマニアやなかったら尚更えぇ奴なんやけどなぁ…』


俺はシュウジにその言葉の意味を尋ねる。


『マニア?何の?』


シュウジは頬杖をつきながら笑う。


『ドラッグ♪』






そりゃもちろん鉄道なんて答えは期待していなかったが…


驚いた。


『まぁクスリは本人の自由やし、大事な話しの時にアイツがハイになってなきゃかまへん。それにあいつはMDMA専門のドラッグマニアや。知っとるやろ?アイツあれをいつもラムネ食うみたいにバリバリ食うんや。』


通称エクスタシーと呼ばれる錠剤タイプの覚せい剤。


少なからず嫌悪感を抱いた。


俺はタバコに火をつけて


ため息まじりに煙を吐く。


『お前の知り合いはバラエティに富みすぎだな…』



シュウジは笑う。



『何も驚くことはないやろ♪MDMAはちょっと前までアメリカでは精神安定剤として処方されとったし…』


そこまで言うとシュウジは俺を上目づかいで見て続ける


『ちなみに今君が口にくわえとるモンより致死率低いで♪』





聞いたことはある。


タバコによる肺ガンでの死者よりMDMAで死んだ奴の方が遥かに少ない。
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