ALONE
部屋に入るとなんでも揃っていた。


エアコンやベッドはもちろん


冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、50インチの液晶テレビ、黒革のソファ…


プレステ2まである。


『…快適な一年になりそうだな』


と俺が言うと


『それはここにずっとおれればの話やな♪』


とシュウジは笑った。


荷物を部屋に置くと


ガラスの丸テーブルを挟み

お互い対面するソファに向き合う。


シュウジは俺にこれから何をするかを話し始めた。


『さてジン、まず金と住居は手に入った。

本番はこれからや。

ちなみに既に俺が知り合いを一人雇って別件のある事件を調べてもろうてる。

もちろんお前の兄貴殺しに繋がってるであろう事件や。』


別件?


ある事件?


俺は聞きたいのは山々だったがすんでのところで抑えた。


どうやら俺もこの世界に馴染んできたらしい。


『まぁそれは近いうち話すとして…

まず俺等が調べるんはお前の兄貴の事件の方。

ただ正直言うとな…』






シュウジは黙る。






『なんだよ。言えよ。』


そう俺が言うとシュウジは俺に目線を合わせた。
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