ALONE
生前の孫を良く言われて気を悪くするはずもない。



じぃさんは2階の兄貴の部屋に案内し




『ごゆっくり』




と男に告げ




この部屋に一人残された。




そして10分ほどして玄関へ降りて来たその男を見た俺は




何か背筋に寒気を感じたんだ。




なぜならその時その男が…




『お邪魔しました』




と言った時…





顔全体に薄気味悪い笑みを浮かべていたから…。










シュウジの言葉に現実に引き戻される。


『…ジン。どないした?』


俺はシュウジに話した。



『…心当たりがある。』




『…データを消した奴にか?』





『…多分。』





『誰や?』





『兄貴の高校時代の同級生と名乗った男で…名前は確か安西。』





シュウジはそれを聞くと勢いよく椅子から立ち上がり



俺に何かを思い付いたように言った。



『…おい…ジン』




『……?』





『一つ探して欲しいもんがある。』





『なんだよ』





『兄貴の高校時代の卒アル取って来い。』







………!!
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