ALONE
俺は部屋を飛び出し



階段を一段抜かしで駆け降り



1階の物置部屋のドアをあけた。



埃が舞い何回か咳込むと



片っ端から積んである段ボールを開いた。



ガキの時着ていた洋服…



日付がかなり前の週刊誌…



父親と母親の写真…



懐かしさに浸る時間はなかった。



俺は片っ端から段ボールを開く。



そして7つめの段ボールを開けた時…



緑の背表紙で縁取られた分厚い一冊のアルバムが出てきた。



金の筆文字で『飛翔』と書かれたアルバム。



兄貴のものに間違いなかった。



俺はそれを持って2階へ上がり兄貴の部屋へ戻ると



『あった。』


とだけシュウジに告げて



アルバムを手渡した。



『確認のためにもっぺん聞きたいんやけど…そいつは兄貴の高校の時の同級生で…安西と名乗ったんやな?』



俺は語気を強めた。



『間違いねぇよ。兄貴が死んでからウチに上がったのは…



そいつとお前だけだ。


忘れるわけない。』
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