ALONE
10分くらい経った。



俺がパスワードに煮詰まって背もたれに寄り掛かると…



シュウジがベッドの上で


アルバムを閉じた。




俺は後頭部で手を組み


シュウジに尋ねた。



『…いたか?安西。』



アルバムにもし安西の名前がなければ


あの男が自動的に兄貴の事件に絡んだ奴だと推察出来る。




シュウジは俺に真剣な顔でアルバムを手渡す。



『…おったで』



俺はその言葉にわずかな可能性が消えたと感じて落ち込んだが…



シュウジは次の瞬間笑った。



『ただし…




安西…さんや♪』





『………!!』




俺は顔を上げ



一瞬コイツのいつも含みを持たせた言い方にイラつきながらも



アルバムを手に取りページを荒っぽくめくった。



クラスは全部で5。




一人だけ安西という名前はあったが…












そいつは女だった。





今確信に変わる。





兄貴の死後…




この部屋に入り…





データを消していったのは…







あの男。
< 167 / 306 >

この作品をシェア

pagetop