ALONE
シュウジは考え込む。



『…駅員に聞くしかないやろな。』



『でも…もし撤去したのが兄貴を殺した奴らの仕業なら…』



『その線も考えたけどな、


多分それはないで。



まず鍵が部屋にあった時点でコインロッカーの存在は知らんはずや。』




『…そう…だな』



シュウジが通りかかった駅員に声をかける。




勤めて長そうな


つまりここ最低10年は駅の事情を知っていそうな


40代くらいの男。



シュウジの人選には通行人ですら隙がない。


『ここって昔もっとコインロッカー置いてはりました?』



駅員は答える。



『…あぁ。ここね。


撤去したんだよ。


4〜5年前だったかな。


中から生まれたばかりの赤ん坊が死体で出て来てね。

一部減らしたんだ。』




……!?






ドクン…





俺は駅員に尋ねる。




『それって何番ですか?』





ドクン…ドクン…







『確か…






1番左の1番下だったから…60番だったと思うよ。可哀相になぁ…。普段あんなところ滅多に開けないから…見つかるのも遅かった。』
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