ALONE
安堵。





不謹慎かも知れないがそう感じた。





少なくとも兄貴がそれをしたわけではなかったから。




俺の心情を察したシュウジは



俺の肩を優しく叩き



そして駅員に本題を尋ねた。



『撤去したロッカーどこあるかわかりまっか?』





『…どうして?』



駅員はそこで初めて疑いの目を向ける。



シュウジは瞬時に機転を働かせる。



『実は俺等…

兄弟なんやけど…

多分撤去されたロッカーの中に親父の形見があると思うねん…。

ホラ!鍵あるやろ?』







…関西弁の兄貴



…標準語の弟



まず設定からして無理がある。







シュウジ




お前は嘘にかけてはセンスがない。



駅員は疑いの目を向けたまま渋々語る。



『多分…中の物は撤去した時に全部出して管理所に預けたんじゃないかな。


ここからそう遠くないところにあるけど…


まだそのお父さんが預けた物が残ってるかはわからないよ。』





そして俺達は



回収物を管理してる場所を聞き出し



そこへと向かった。
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