ALONE
俺はデスクチェアに体育座りで座るように


両足を折って椅子の上に座り直す。


タバコに火をつけると


煙を吐きながら再び画面を睨みつけた。







まず文面から考えてこのアケミって奴が兄貴殺しに何かしら噛んではいるだろう。


4時という時間も


俺が傘を持って兄貴の勤め先の銀行へ向かった時刻とそんなにズレはない。


コイツに呼び出されて兄貴はコイツに殺されたか…


もしくはあくまでコイツは呼び出しただけで殺したのは別の奴か。







つーかアケミって誰よ?



女であることは間違いないだろうけど…



兄貴に女がいたなんて俺は知らない。




…ため息が出た。




パスワードが解けたのはいいが



改めてわかんねぇことだらけじゃねぇか。



俺は何気なく文面を所々口に出してみた。



『明日…


仕事前…


話したい…


4時…


公園…


来て』







『仕事前?4時?』




……!!



…ピンときた。




4時で仕事前?




このアケミって奴の職業…



恐らく…






水商売。
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