ALONE
『…そう当時は。

事件発生から2週間後、死体解剖の結果焼け焦げた遺体の中から一人身元のわからない遺体があったことを確認。

更に1カ月後、この遺体が都内の**銀行*支店に勤める坂本裕紀であることが発覚。

死因は…






落下による転落死』




…?




俺はまた口を挟む。




『…交通事故で転落死?』


シュウジが俺の質問に答える。



『そいつが…


あの日走行中のウチの車のボンネットに落ちて来たんや。


それで車は横転した。


オカンの誤操作なんかやない。


俺が救急車に運ばれる前に言ったことは…



嘘やないんや。』



シュウジは拳を強く握った。



片岡はシュウジに言う。


『…そうかも知れないわね。

でも当時の警察はそれをちゃんと調べなかった。

高速沿いの高層ビル屋上から坂本裕紀の遺書と彼の脱いだと思われる靴が見つかったけど…全てはあとの祭。


警察のメンツとしては…


一度した発表を覆すわけにはいかなかった。


10歳の男の子の証言といえど

それを無視して最終発表をした否を警察は認めることはしたくなかったのよ。』
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