ALONE
『あぁアレは…親父が再婚した相手と出来た子供なんや。』



『…そうだったのか』



しばしの沈黙。



『なぁジン。

そんなこと今どうだってえぇねん。

俺が何でこの話を今お前に聞かせた思う?』



…?



『そりゃ…


俺の兄貴が死んだ日と


お前が事故に遭った日がたまたま…』



『たまたまじゃねぇよ。』


シュウジの口から関西弁が




消える。



周りを包む空気はシュウジのやり場のない怒りに満ちる。



『あのな、

あの日ウチの車に空から降って来た坂本裕紀って男

お前の兄貴の同僚だったんだよ。』




…!?



俺はおもむろに片岡がテーブルに置いていった資料をめくる。



**銀行*支店…



兄貴の勤め先だった。



『わかるか?


…自殺じゃねぇんだよ。


同じ日に同じ銀行の同じ支店で働く同僚が…!!


いっぺんに消されたんだよ!!』




『…でもこの資料には遺書や脱ぎ捨てた靴があったって…』



『んなもんどうにでもなるだろ。』



『…でももしかしたら兄貴を殺したのがその坂本って奴で…それが原因で自殺したんじゃ…』
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