ALONE
シュウジは首を横に振る。


『まずそれはない。

事故が起こったのはお前の兄貴が殺される3時間前だ。』



シュウジは更に語気を強める。




『いいかジン。


現実を見ろ。


お前が考えてる浅はかな


もしとか


こうだとしたらなんて可能性は


全部俺が裏付けしてあるんだよ。


何より俺がお前にたどり着いて…


今こうして目の前にいることがその証拠だろうが!!』


俺は今までで1番マジなシュウジの姿を前にして


その覇気に気圧されていた。


『ジン。

前にお前は


お前の兄貴を殺した奴を捕まえることが俺に何の意味があるか聞いたよな?


わかったろ?


これは俺にとっても弔い合戦なんだよ。


あの日俺をヘタすりゃ死んでてもおかしくない目に合わせた奴らに…


俺の母親に事故の元凶というレッテルを貼付けたクソ野郎共に…


半ば加害者の息子として生き続けた屈辱に満ちた10年を精算するための…


復讐なんだよ!!』



シュウジはそう言うと


体と垂直に突き出した右腕の黒のパーカーの袖をめくる。



その右腕には…
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