ALONE
『そいつな


事故が起きた当時の…



道路公団総裁や。』





…?





『だからなんなんだよ』



『やっぱそれだけ言うてもわからんか。

道路公団言うんはな

主に高速自動車道や一般有料道路の建設や管理を行っとった特殊法人なんや。

まぁ…2、3年前に民営化されてからは国が完全に仕切っとるがな。』



『…だから道路公団がなんだってんだよ。話が見えねぇ。』



シュウジは椅子に座り直し

俺に今まで知らなかった世界の裏側を説明し始める。


『いいか?

まず当時特殊法人だった道路公団ってのはな

予算を国から全額支給されとった団体なんや。

なんでかわかるか?』




『…そりゃ…俺等が日々使う道路とかを作ったり管理してるからだろ。』



『その通り。

けどな…この特殊法人…

いや道路公団ってのは

国から財政融資してもらえることを良い事に

ある事が公然と行われとった。』




『…ある事?』
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