ALONE
『…手掛かりが見つかったのか?』



『恐らくな♪』



『なんだよその吉報って』



『あ?何寝ぼけたこと言うてんねん。』




『…?』



『お前が電話してきたんやろ。パスワード解けた言うて。』




あぁ…





…完ッ全に忘れてた。




『あ…あぁ悪い。でもそれが手掛かりになるかはまだ…』



『ごたくはえぇねん。

俺等は数少ない手掛かりでもここまでたどり着いた。

えぇかジン?


俺等はな


裏で重罪犯して今平然と暮らしとるクソ共の背後からナイフを突き立てとるようなもんなんや。


けんど息の根止めるゆうならあと一歩踏みこまなアカン。


その一歩の手掛かりにつながる頼みの綱は今あのメールフォルダや。


わかるな?


だからあのメールフォルダに何があったか言うてくれ。』







俺はシュウジにあの受信メールのことを話した。

アケミという名の差し出し人。

受信日は兄貴の死の前日。

呼び出されたのは殺害現場の近郊であり

また時間にもズレがなかったこと。

そしてアケミという女が…




夜の世界の女であろうということを。
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