ALONE
コイツまだ酔ってんのか?


あまりに肥大した話の内容になんだか笑えた。



俺は一応答える。



『どうかな…。

欲ってのは誰の心の中にもある。

今いる奴らが消えれば万事解決って具合にはいかない。

例えそんな奴らが一掃されたとしても…

新たにその座についた奴がまた同じ権力を盾に

新たな悪行を繰り返す。

ただそれだけだろ。』



シュウジは俺の解答に満足したのか笑みを浮かべながら2、3度首を縦に振る。


こいつは常に上から目線。




『それにさ…

俺は兄貴を殺した奴が知りたいだけで

日本を良くしようなんざこれっぽっちも考えてねぇよ。』



シュウジは声を上げて笑う。


『俺も同感や♪』



『つーかさ…お前んな事より早く二日酔い治せよ。

毎日毎日トイレで吐く音聞かされるこっちの身になれ。』



『あ、それは無理。

俺酒と女にはめっぽう弱いねん♪』


『あ?

だったら今やってる企画自体がお前には最低じゃねぇか。』


『お、ジン君エェとこ気付いたやん♪

ナイス突っ込みや。

けどな、それでもやらなアカン。

なぜなら…』



『…?』
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