ALONE
先輩には処分は下らなかった。


世間は来週行われる大会への先輩の出場を待ち望んでいる。


今先輩に退学や停学の処分を下すことは


世間にこの一件を晒すことになる。


学校側としてそれだけは避けなければいけない。


そして先輩は


処分どころか


教員から大会に出てくれと頼まれた。



でもそれが


先輩をより苦しめた。



『いっそ退学になった方がマシだ…』



先輩は自分を責めた。



先輩は職員室を去る際



涙を目に溜め



悲痛な笑みを浮かべながら




『お前らみんな死ねばいいのに…』






そう言い残した。




次の日から先輩は学校に来なかった。
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