ALONE
『ジン。』



シュウジと久々の会話。



『…ん?』



『ヨシアキなんやて?』



『明日、シエスタ来いって。多分…さっきの報道絡みで何か情報持ってる。』



シュウジは視線を横にずらし



険しい顔を崩さず何度かウンウンと頷いた。



そして真っすぐ俺を見据えて口を開く。



『ジン、俺考えたんやけどな…

これはもしかしたらチャンスなのかもしれん。』



『チャンス?』



『そうや。

まず俺が思うに…

Louisのアケミは組織のトップの人間やない。

アケミの上に立っているであろう人物がどっかにおる。』







俺もそれは感じていた。



そして何の確信もなかったが



その時俺の頭にある男の顔が浮かんだ。



シルバーの髪



白いスーツ



青い眼球



燃え盛る炎と俺達を



嘲笑の笑みを浮かべたままVIPルームから見下ろし



喉元を掻き切るジェスチャーを見せたあの男。



残像がまだ鮮明に脳裏に焼き付いている。



奴が恐らく…。
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