ALONE
『…それは








わからん。

そう考えたいのは俺も山々やけどまだ時期尚早やな。

ただ言えることはある。

俺はあそこまで簡単に逃げ切れるとは思っとらんかった。

追って来たSPも二人だけやったし…

俺らが逃げた時、もし他の何かに人員を割いていたならそれも合点がいく話や。

それがもしその事件が原因やったとして…

俺らを逃がす為ではないにせよ…

結果として助かったのは事実や。

つまり…

味方かどうかは断定出来んが

奴らに戦いを挑んどるのは俺らだけやないかもしれんってことや。』




『じゃぁ…

だとしたら目だし帽をかぶった外国人風の男ってのがその…』



シュウジは少し口元を緩める。




『ジン…それはない。

もう忘れたんか?

奴らは俺らを自分達で捕まえようとしとる。

つまり奴らはそいつ、もしくはそいつらも自分達で捕まえようと思っとるはずや。

報道された犯人像はあくまで世間を欺くフェイク。

あそこに客としていた官僚や有名政治家なんかを懐柔して

これだけの情報操作が出来るゆうことはマスコミや警察の上層部にも顔が利くゆうことやろうし…

まぁ遅かれ早かれ自分達の手だけでどちらも捕まるのは可能やと思ってるんやろうな。』
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