ALONE
『どうしたジン』






『いや…



別に…』




つまらない意地を張る。




それもシュウジはお見通し。






『俺の話理解出来んか?』




俺はその質問を自分でも心に問い掛けてみる。




『理解は…



出来るさ。



ただ…



わかっていても納得出来ない。』






『なんでや?』









俺は意地を捨てた。






『あまりに話がブッ飛んでるだろ。』



『どこが?』




『どこがだ?

全部だよ。

あそこにいた客だけならまだしも…

報道機関や警察なんかにも顔が利くなんて…

バカげてるだろ?

まるでこの国が奴らの手の平の上にあるみたいだ。』



するとシュウジはソファにのけ反る。



それは上から物を言う態勢に入った証拠…。



『俺は道路公団が絡んだ時点である程度予想はしとったで。

ただ…

正直ここまでの組織は俺も未だかつて拝んだ覚えはないな。』










あぁ



そうだった。



常識なんてものにとらわれてはいけない。



それが真実だとしたら



『真実かどうか考える』行為は無意味だ。















頭を冷やせ。
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