ALONE
テレビゲームを想像して欲しい。



ジャンルは…



そうだな



RPGがいい。



あれってさ



自分が操作するキャラはステージを進んで行く毎にレベルを上げていくから



ボスにたどり着くまでにはある程度張り合えるように出来てるだろ?



でも俺達がプレーするのは



ゲームと呼ぶにはあまりに構成に欠けた現実のRPG。



段階を踏んでレベルを上げることもないし



もちろんセーブもない。



俺は思うんだ。



過去から今まで



この現実のRPGに挑戦したのはきっと俺らだけじゃないって。



そして多分そいつらは表の世界じゃ結構なレベルの奴らだったはず。



でもそいつらですらやがて気付くんだ。




このゲームのラスボスは…



決して敵うことのない




この国を裏から支配する




『独裁者』なんだって。




絶望した彼等はどうしたか?




ここで現実ならではの裏技が発生する。



かつて高い志を胸に



『独裁者』を倒そうとしたゲームのプレーヤーは



憎むべき『独裁者』の手足となって次のプレーヤーを迎え撃つんだ。
< 280 / 306 >

この作品をシェア

pagetop