ALONE
お嬢様
高校は夏休みに入り


俺は蒸し暑い昼間を先輩の影響で本を読んで過ごし


夜はバイクで走るのが日課になっていた。


就活中で忙しい先輩とはたまにのメールでのやりとりだけで


もう一ヶ月くらい会ってない。


正直つまらなかった。


決められた日常ってのはそれはそれでつまらないが

逆に自由過ぎるのも困りもんだ。


人間って贅沢。




バイクで走ってるとそんな考えは一時的に忘れることは出来たが


たまに暴走族に絡まれる。


信号待ちで隣にならんだヤンキーバリバリの単車。


『俺らのチームのステッカー1万で買いな』


めんどくせぇ…。


信号が青に変わった瞬間アクセル全開で振り切るが

それでもついてくる奴はボコボコにした。


言っておくけど全部正当防衛。


2週間くらいそんな日々が続き

俺は夏限定の族狩りと呼ばれていた。


それは日増しに増える族の多さで気付いた。


『FXに乗った金髪のガキを殺せ!』




いやいや…


みなさん血の気の多いコトで。
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