ALONE
女とのSEXが終わった後


女は満足したのか熟睡した。


俺は女をベッドに残しシャワーを浴びる。


俺はとりあえず焼けるほど痛い傷口にシャワーの冷水をあて


物思いにふけっていた。


『何やってんだか…』



名前すら知らない女との愛のないSEXは


ただ虚しさだけが残った。


一時間ほど経って部屋に戻ると

カーテンの隙間から朝陽が差し込んでいた。


女はまだ寝てる。


放っておいて帰るか?


ベッドの端に座り


無邪気な女の寝顔を見つめた。


さっきまで暗くて顔さえよくわからなかったが


ずいぶん幼い顔つきだ。


まだ垢抜けない

言葉に表すなら清楚で

良いトコ育ちのお嬢様って感じだ。


なんで死のうなんて思ったんだ?




ふと兄貴を思い出した。


心臓の音が早い。

体が震える。


俺の兄貴は……
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