ALONE
とりあえず足は薬局で買った消毒液と包帯で応急処置をし

遊園地へ向かった。


遊園地なんて何年振りだろう。

両親と一度来たコトがあるらしいが俺の記憶にはカケラも残っていない。

何が楽しいんだか…

と、思う俺の隣で女はめちゃめちゃ楽しそうだ。


こいつは何が嫌で家を飛び出してきたのか。

俺はこいつの素性が徐々に気になり始めた。


俺等は一通り乗り物に乗った後ベンチに二人で腰掛けた。


『おい。ところでなんで遊園地なんだ?』


短い沈黙。


『あたしね、遊園地初めてきたの♪』


意外だった。

この年頃の女ってのは暇さえありゃ友達とディズニーランドやら遊園地やら行くもんだと思ってた。

もっとも俺は休日にわざわざ疲れに行くような真似はごめんだが。
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