ALONE
『ジン!?携帯ちゃんと拾った!?』


まだ意識がもうろうとしてる。


『あぁ拾ったよ…。お前大丈夫なのか?』


『大丈夫…じゃないかな。家に無理矢理連れてこられて…軽く今軟禁状態。』


やっぱりあれは家の人か。

でも父親ではないようだった。

『そうか。とにかく一回親の人とじっくり話したらどうだ?』

『それは嫌だ。そんなことしたらまた…』


『また?』


『ねぇジン…。。私の話聞いてくれる?』


『あぁ…いいよ。とりあえず名前教えてくれたらな。』


この状況で俺の精一杯のユーモアに

彼女は受話器越しにクスッと笑うのがわかった。





俺は電話越しに彼女の話を聞き入った。


それは辛く


屈辱に満ちた彼女の日々の話だった。
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