ALONE
受話器越しに

彼女の話をまだあたたかいアスファルトの上で仰向けになり聞く俺。


星が綺麗だったのを覚えてる。


彼女の大きな深呼吸が受話器から聞こえた。


いやあれはため息だったのかな。


『…驚いた?』


不安そうに彼女は聞いた。


『…ちょっとね。』


その言い方が今の俺に出来る精一杯の優しさだった。

『そっか♪でもジンの家行きたかったなぁ。。あともうちょっとだったのにね!』


どうして彼女はこんなに気丈に振る舞えるんだろう。

こんな状況でも


自分の辛い過去を打ち明けてくれた後でも


俺に優しさを見せてくれる。


なんでこいつは…





こんなに強いんだ。





俺は言った。


『今から迎えに行く。』



この先何が起ころうと後悔はしない。


面倒なコトに巻き込まれる?



構いはしないさ。


俺は今…






この電話越しに話してる女と…






『一緒にいたい』
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