ALONE
愛とか恋とかそんなコトバじゃ形容出来ないんだ。


ましてや同情なんかでもない。


救いたい。


俺の全てを賭けてでも。


しかし彼女の返答は俺が期待したものではなかった。


『ゴメンね。

あたしはこれからもこの檻の中で生活するの。

少しの間でも凄く楽しかった。

夢みたいだった。

ありがとうジン。

あなたのコト…



忘れない。』







『ちょっとま…』



ツー…ツー…






俺はその瞬間何を思っただろう?




怒り?




悲しみ?




未練?






どれも違うな。




久しく味わってなかったその感情






俺は




寂しかった。






次の日も…



次の週も…



俺は彼女からの電話を待ったが


一向に彼女のケータイは鳴らなかった。




そして夏休みが明けたその日の朝



俺は彼女と再会を果たす。






新聞の社会面の小さな記事で。
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