ALONE
『とゆうわけで以上猪瀬トオル

本日卒業します。

みんな聞いてくれてありがと♪』


会場から拍手が鳴りやまない。

先輩かっこよすぎだろ。


壇上から下りた先輩を筆頭に

卒業生は体育館から去った。


放課後



一人屋上でタバコに火をつける。

セブンスター。

今日からここは俺専用のサボり場になっちゃうのか…

なぁんか実感沸かない。

視線を下に落とすと分厚い本が一冊落ちていた。

俺はそれを拾いあげ

開いた。

見開き1ページ目に黒のボールペンで書かれたメッセージ。

先輩だった。








いつでも連絡してこいよ。

愛すべき後輩へ♪


by可憐な先輩








アホっぽい。

普通自分のコト可憐なとか言うか?

でもありがとう先輩。

俺の心にあった大きな傷口が

先輩のおかげでゆっくりと

本当にゆっくりだけど

ふさがっていくのを感じた。
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