ALONE
俺は言った。


『先輩ですか?ちょっと…トイレがわかんなくて♪』


思いきり神経をさかなでする態度をしてやった。


先輩Bは言う


『お前…マジ生意気だな。コイツどうする?』


先輩Cは言う


『ヤッちゃう?みせしめに。』


再び先輩A


『ヤッちゃうか』


そう笑うとなおさら不細工なツラ。


先輩Bが俺の衿をつかんで図書室の中に引きずりこんだ。


先輩Bそのまま俺の顔にパンチ。



うわ…




いきなり右のストレート。


コイツケンカ慣れしてねぇな。


俺は掴まれた衿を素早く振り払い一歩下がる。


上体がブレまくりのストレートを半歩スライドしてかわし、


先輩Bの腹に渾身の膝蹴りをかました。


バイバイ先輩B。


ご愁傷様。


みぞおちに的確にブチ込んだ俺の膝蹴りのせいで先輩Bは汚い地べたを這いずり回る。


集団で襲われた時はまず威勢のいい弱そうな一人目を一撃で葬るのが1番良い。


なぜならそれは


残された二人に対するプレッシャーへと変化するから。


『俺もやられるかもしれない』


という不安。
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