ALONE
それ以来カイトは俺の後ろをよくついて歩くようになった。


移動教室の時も

休み時間のトイレにも

放課後の帰り道も

そしてあの屋上にも。



言わせてもらうが



さすがにウザい。


屋上で俺はカイトに切り出した。


『なぁカイト…たまには一人にしてくんねぇかな。お前といつもいると息が詰まるよ。』


こうゆう事は遠巻きに言わない方がいい。


別にカイトが嫌いなわけじゃない。


でもこの必要以上に馴れ馴れしい態度が俺には窮屈で…


そして何か引っ掛かるものがあった。


それが何かはわからないが…


カイトは言った。


『ごめんジンくん…。僕そうゆうの気付くの疎くて。』


『いや別にそんなに落ち込まんでも…』


『ジンくんの事僕すごく憧れてるんだ。だからつい…。ホントにゴメンね。』


カイトは俯きながら一人教室に帰っていった。



クソ…

なんで俺がこんな気分になんなきゃいけないんだ。



罪悪感。



人付合いってめんどくせぇ。
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