ALONE
カイトにおかしな様子はない。

最初に入ったのがCDショップ。

次がファストフード。

で、今さっき本屋。


どう見たってフツーの高校生だ。


やっぱり俺の考え過ぎか?



次の瞬間






急にカイトが路地裏に入った。



ちょっと待てよ…


確かこの先を抜けると…


あの繁華街だ。


見間違いなんかじゃなかった。


あいつは何を求めて連日この繁華街へ?


胸騒ぎがザワザワと音をたてる。


俺が後を追うように路地裏を抜けると








カイトを見失っていた。









『ジンくん♪』







後ろから物腰の柔らかい声。


カイトだった。
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