ALONE
『何やってんのこんなところで♪』

この笑み…

その時確信した。



それは笑顔と言う名の





仮面


『…お前いつから気付いてた?』


『そうだなぁ…本屋サン入る前あたり♪僕視線とか気配に敏感なんだ♪』


『悪気はねぇけど…昨日お前をここで見かけて…気になって後をつけた。なぁ…お前みたいな奴がここで何してんだよ。』


『…う〜ん。』


カイトの顔から一瞬笑みが消える。


そしてカイトはまた笑みを投げかけた。

しかしその顔は

目を細め

口元だけが緩み

俺を見下したような

ひどくカンに障る笑みだった。

それは俺の知ってるカイトではない。

『ジン…じゃぁお前にだけは特別に見せてやるよ。』

背筋が凍るような冷たい声。

それがホントのお前か。

ついに仮面をとりやがった。

『俺の居場所に案内してやる。ついてきな。』




はじめまして桐生カイト。
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