ALONE


本気?

こんな理不尽な奴久しぶりに見た。

俺のこいつに対する敬語で話すという選択肢はこの時点で削除。

だってこの超がつく自分中心主義者をどう敬えと?


『ホラ行くで♪』

シュウジは俺にヘルメットを投げる。

バイクの後ろに乗るなんて兄貴以来だった。

言われるがまま俺は奴のゼファーにまたがり

半ばどうにでもなれと感じながら

シュウジと一緒に風になった。

あの時俺の本心ではシュウジともっと話したかったからそうしたのかもしれない。


…俺の頭を支配している数多くの疑念を取り払うために。
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