ALONE
俺らはまだ朝方で人の少ない24時間営業のファミレスに入った。

入って右奥の4人掛けの席。

俺達はアイスコーヒーを頼んだ。

シュウジが話し始める。


『俺らのチームが族の消えたこの町を走りまわっとらん理由…昨日話してへんかったな。』

『…あぁ』

『俺らはそれぞれ自分の目的のために動いとる。ただな、その目的が一人では果たせん時、一時的に提携を結ぶんや。俺がパイプ役になってな。』

俺はシュウジの話についていけるように頭をフル回転させる。

『ウチのチームはみな普段は一般人やっとる善良な市民や。ただそれぞれが人並み以上に長けとる分野がある。ボクサー崩れの格闘家、大手IT企業のプログラマー、私立探偵、警官、弁護士、暴力団幹部…職業はてんでバラバラや。』

…どのへんがみな善良な市民なのか。

スポーツで言うなら世界選抜が日本のアマチュアクラブを立ち上がれないほどコテンパンにしたってところか。

潰されたチームが気の毒にさえ思えてきた。
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