ALONE
俺の中に表しようのない怒りが満ちている。

強い者が弱い者を食うのはしょうがないことだとは思うよ。

スポーツにしたって受験にしたって就職にしたって…

誰かを蹴落としての今がある。

社会において必然だ。

ただこの場合は違う。

同じ土俵にすらあがってない弱者を

まるでゲーム感覚であるかのように

人込みに紛れて

背後から刺し殺したたに等しい。



汚い…



汚すぎる。



俺はシュウジを殴りたくてどうしようもなかった。


ただその前に聞きたいことがあった。

『…アンタは?』

シュウジは首を傾げる。

『なんや?』

『アンタが族をこの町から消したかった目的だよ。』





長い沈黙…






『…一つはジン。お前や。』


…?
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