夏の日の想い出
鈴原くんのそっくりさん……?
☆☆☆
昨日と同じくギラギラ照りつける太陽。
セミの鳴き声も、昨日よりうるさい気がする。
「おはよー」
やっと教室についてぐだぐだと自分の席についた。
「おはよ、麗夏」
ショートカットによく似合う爽やかな笑顔で、真弥が駆けよってきた。
「どうしたの、なんか今日はいつもに増してダルそうだね」
ダルいなんてもんじゃない。
昨日はいろいろあって、かなり体が疲れている。
「もうさー、聞いてよ」
「はいはいなに?」
「昨日……」
あきれた顔で聞き返す真弥にレナのことを言いそうになってしまった。
「昨日? なんかあったの?」
「あ~……うん。
昨日ね、家に帰ったのにアイスが切れてて!」
とっさに出た嘘。
「なんだ、そんなこと? 元気出せ~」
まあ、昨日アイスを食べてないのはほんと。
ていうか、食べてる場合じゃなかったし……。
「おっはよ~☆
ねえ、今日って早帰りだよね?」
穂乃華と杏里が嬉しそうに教室に入ってきた。
「そうなの? 初めて聞いた」
「しかも、五限目は自学!」
自学!? やったー!!
私たち生徒にとって、お弁当を食べたあとの五限目が自学ということはお昼寝タイムがあるようなもんだ。
「やる気出てきたー」
「よかったよかった。それより麗夏、今日こそは課題やってきたの?」
あ……
「忘れてた……」
真弥が大きくため息をついたけど、昨日はそんな余裕なかったんだってば!
そもそも私が課題とかしっかりやってくる方が珍しいし。