夏の日の想い出


「ねえ麗夏、今日提出の課題やってきた?」

課題……?


そんなのあったっけ。


「……たぶんやってない」

「あんった……成績落ちるよ?」

「真弥(まや)こそやってないくせに」


あたしのその言葉に真弥が反論しようとしたとき、窓から強い風が吹いた。


「え……?」

「もーなに? 髪ぐしゃぐしゃ~!」


真弥は、なにも気にしてないみたい。

だけど……


「麗夏? どうしたの、固まっちゃって」

「いや……、なんか今の風、変じゃなかった?」


気のせいかな……。


「あはは、漫画の読みすぎ」

「そうかなあ」


少し変な感じがしたんだけど……まあいっか!




☆☆☆


「麗夏ー! おーい」

「……ふぁ?」


「やっと起きた。もうお昼なんですけど」


少し重たいまぶたをこじ開けて顔をあげると、ぼんやりと人の顔。


「あ、穂乃華(ほのか)」

穂乃華もクラスメイト。今は教室にいないみたいだけど、杏里(あんり)も
よく一緒にいる。


「おはよう」

「え? あ、寝てた?」


頭がボーッとするのはそのせいか。

「寝てたって言うか……一限目から爆睡」


うそ!?


時計を確認してみると、時計の針は十二時半をさしていた。


「もう四限目おわってるじゃん!」
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