夏の日の想い出

「そうだよ。だから言ってんだってば!」


まさかの午前中ぶっ通しで爆睡とは……

さすがのあたしでもこれは初めてだ。


「麗夏ー穂乃華ー! お弁当一緒に食べよ!」


真弥がお弁当箱を手に私たちの方へ走ってきた。


「いいよいいよ~ってか、もともとその予定だったし!」


そう。私たち四人グループは、ほぼいつも一緒。


真弥とは幼なじみだったんだけど、穂乃華と杏里は中学生の頃からの親友で

奇跡的に四人が同じクラスになったことがきっかけ。


私はあの二人と面識なかったけど、真弥と杏里が結構なかよしだったみたいで。


今じゃみんな私の大好きな友達。


「お待たせ。もうみんな揃ってんじゃん」


やっと杏里が戻ってきて、私たちの四人が揃った。


「杏里、どこ行ってたの?」

「ああ、ちょっと委員会で呼ばれて」


杏里は一見バカそうに見えるけど、実はこれでも生徒会委員をやっている。

だからいつも大忙しなんだよね。


「じゃあ食べよ!」


穂乃華のその一声でみんなが近くの席に座った。


「てか、今日教室でよかった?

屋上とかでも……」

「いや、屋上はあたし死ぬから」


何でこんな暑い日にわざわざ外行かなきゃいけないの?

絶対あたし溶けるって!


「ほんっと麗夏ったら……」

「だって外行きたくないもーん」

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