雨の恋路
ボソ
「ねぇ雨美、洋平先輩どうしたのかな……?」
悲しげな表情であたしに聞いてくる亜由ちゃん。
その原因が自分(あたしのせい)なのを知らない亜由ちゃんは相当悩んでいた。
いつも笑顔でムードメーカーの洋平先輩がここまで元気がないのは初めてのこと。誰でも心配になる。
まぁ、あたしはそれだけ亜由ちゃんが好きなんだなって分かって嬉しい気がするけど……。
「あっ!あたし先生に呼ばれてたんだった!」
「えっ、ちょっ、雨美!?」
「光、ついて来てくれる?」
「あぁ?ちっ、しゃ~ねぇなぁ」
と言いながら笑顔で立ち上がる光。
それとは反対に慌てる亜由ちゃん。
元気のない洋平先輩と気まづくなるのが嫌なんだと思う。
けどこれは2人のため!
上手くいくと良いな…-!
そう思いながら、あたし達は屋上をあとにした。