雨の恋路


屋上をあとにしたあたし達は職員室に向かっていた。本当は呼ばれてなんてないんだけど……。



「で?誰に呼ばれてんの?」



うっ……。
ここは素直に言うべきだよね……。




「えっとね…ごめん……。あれ……嘘なの」







「ふ~ん、嘘か。って、えぇ!?」








そんな光の反応につい笑ってしまったあたし。





「笑うなよ」







「だって~」





まだ笑いが収まらないあたしに光は「このっ!」何て言いながら、あたしに後ろ抱きついた。周りから見ればただのバカップルに見えると思う。でもそれは、今のあたし達にとってはほめ言葉だ。




「で、雨美ちゃんは何であんな嘘ついたのかな?」




「えっと、それは…-」





あたしは自分の考えたことを光に話した。





< 109 / 278 >

この作品をシェア

pagetop