雨の恋路

-AYU-



雨美と光先輩が屋上から出ていって数分たった今…-2人を包むのは沈黙の2文字。




どうして洋平先輩は元気ないの?

こんなに元気ないのって初めてだ。もしかして恋の悩み……?好きな人のことで悩んでるの?




うー…。
嫌だよ、そんなの…っ!


あっやばい、涙出てきた……。
どうしよう…先輩の前で泣くわけにはいかないし……。




ひとまずトイレ行こう!






「先輩ごめん!トイレ行ってくるね」






その瞬間俯いてた顔をあげた洋平先輩。その顔は悲しそうで不安そうな顔だった。





先輩のそんな顔は初めてで、あたしは一瞬緩んでしまった。



それでも自分の今の顔を見られたくなかったから急いでトイレへと向かおうとした。でもあたしは動けなかった。先輩があたしの腕を掴んでいたから。








「先輩?どうしたの?」






「……」




えっ……
どうしよう……
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