雨の恋路
「そんなこと思ってない。俺は……亜由が好きだよ」
「洋平……ぜんばあい~!」
泣きながら洋平先輩の胸に顔を沈めるあたし。
「アハハ、いつも強気の亜由がこんなに可愛くなっちゃって♪」
と言って、まだ涙が止まらないあたしのまぶたにそっとキスをした。それだけで赤く染まるあたしの頬。
「洋平先輩だって違うじゃん。いつもはお調子者なのに……」
「好きな子の前ではかっこよくしたいものなの、男ってのは…-」
その瞬間あたしの前に影が現れた。パッと顔を上げるとそこには洋平先輩の顔がすぐそばにあって、あたしの唇にそっと触れた…-。