雨の恋路
「ごめっ…ひかっ……ご……めん…」
「雨美……っ!?」
光はあたしが泣いたことに驚いたのか声を上げた。しかし、すぐにあたしをギュッと優しく抱きしめた。
「雨美、写真見たくらいで怒るわけないだろ?だから……泣くな?」
「ほん…と…?ひかっ…る、怒って……ない?」
「怒ってないよ」
よかっ……た……。
光に嫌われたら、あたし死んじゃうかもしれない。大袈裟だけど、それくらい光が好き…-。
「雨美、咲希との関係……ちゃんと話すから」
あたしは光の中でコクリと頷く。
「話し聞いても勘違いするなよ。俺が今好きなのは雨美なんだから」
あたしは一瞬ドキッとしたが、コクリとまた頷いて、光の言葉を待った。
「咲希と出会ったのは、中1の時なんだ……」