雨の恋路
「お~ただいま♪」
「こんにちわ、光」
「咲希も……一緒だったのか」
兄貴一人だと思ってた俺は、咲希の登場に怒る気力が失せた。
まぁ兄貴もわざとじゃねーしな。まだまだ先は長いし……。
そう思って自分の部屋に戻ろうとした時…-
「あっ、雨美ちゃんどうかしたの?もしかして喧嘩?」
…お前のせいですケド?
そう目で訴え、兄貴を睨む。
「えっ、こわっ!どうしたの?」
「陸……。雨美ちゃんの反応と、光のあの目で分かるでしょ?」
呆れたように呟いた咲希の言葉に、兄貴は「あっ!」と声をあげた。