雨の恋路
部屋に戻った俺はベッドにそのままダイブした。
「何か……疲れた」
咲希と話すのにすごい神経を使った気がする。
何でだろうな?好きだったはずなのに……。
咲希のこと……今はどうでも良い。
兄貴と結婚しようと、別れて他の男と付き合おうと、俺は何にも感じない。
雨美と……雨美と出会う前だったら、そんなことは思わなかった。
今の俺にとって雨美は、すっげーデカい存在なんだ。だから別れるなんてありえねーし、離してなんかやらない。
「俺は雨美を愛してんだ」
ボソッと呟いた言葉に恥ずかしくなって、一人顔を赤らめた。
頭を掻きながらベッドを降りると、顔の火照りが引かないまま、俺は課題へと取り組んだ。