雨の恋路
「昨日は邪魔されちゃったね?」
「ふぇ!?」
突然の思い掛けない光の発言に、すっ呆けた声が出てしまった。光は一瞬目を見開いたと思えば、ブハッと噴出して笑いだした。
「冗談だって。心配すんな。ゆっくりで良いからさ」
そう言って微笑み軽く唇に触れた。
誰が見てるか分からない道のど真ん中で、あたしの頬は一気に火照る。
「キスぐらいは、許してよね」
舌を出して光は笑い、あたしは小さく頷くだけ。
本当はいつだって準備はOKだけど、ちょっとぐらい、じらしてやろうかな?なんて考えたりして。
それから他愛もない話をして学校へと着いたあたし達は、それぞれの教室へと別れた。
さっきより少し長めの、キスを残して…-