雨の恋路
授業が終わり、帰り支度へ。
光は今日、委員会なので帰りは1人。
亜美ちゃんが「一緒に帰ろう?」と誘ってくれたけど、洋平先輩との仲を邪魔するわけにはいかないので、断った。
カバンに必要な物だけ入れると、足早に教室を出た。
今日は寄り道もせず早く帰ろうと心の中で決め、下駄箱を出る。
校門のところまでいくと、見覚えのある人物があたしの目に映った。
正直会いたくなかったので、気付かないフリをし、顔を俯かせながら横を通りすぎようとした。
しかし無情にも相手は気付く…-
「雨美ちゃん?」
「……咲希さん……」
そう。校門の前にいた人物とは咲希さんだった。
咲希さんは相変わらず綺麗で、横を過ぎる男子生徒は何回も振り返り、顔を赤くそめていた。