雨の恋路


「気になる?」




「……はい」




目の前にあるカップを
口に運んだ咲希さん。




一口飲むと、カップを戻した。





カチャリ、とカップを皿の上に置く音が、やけに大きく聞こえた。






「光は、あたしのだからよ」





「!?」




な…何言ってるの?この人。



光は咲希さんの?
意味が……分からない。






「あなたは知らない……とゆーか聞いてないんでしょうけど、あたし達は昔「付き合ってたんですよね」





咲希さんが言い終わらないうちに、あたしは被さって言った。




目を見開き驚く咲希さん。

しかし急に笑みを零し、笑い出した。

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